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【SVダブル レギュD】追い風晴れイダイトウ【WCS2023 Day1使用】

 こんにちは、conaです。
 今回はWCS Day1で使用した構築の紹介です。
 結果は3-3で敗退となってしまったのですが、自信を持っていた構築だったので、構築記事として書き残させてください。

1.構築経緯

 レギュレーションDが始まってからペリッパー+イダイトウをかなり長く使っていましたが、ずっと雨ウェーブタックルよりも、後発でイダイトウが出てからのお墓参りに強さを感じていた点に違和感を覚えていました。確かに雨ウェーブタックルの超火力は魅力的ではありますが、反動のせいで基本1-1交換にしかならず、また草や水のテラスタルで受けられてしまうこともあります。対してお墓参りはデメリットなし非接触という性質からいたずらに体力を削ることはなく、テラスタルで受けられることも普通ありません。

 ペリイダイトウ自体は詰めに詰めた上で諦める選択をした上で、「お墓参りは強かったけどな......」という思いを抱えながら過ごしていたところ、トルネロス+適応力イダイトウの形が海外大会で結果を残しているのを見ました。その取り巻きはあまり納得がいかなかったのですが、お墓参りの強さを人一倍知っている自信のあった自分としては、試しがいのあるコンセプトだと思い、自分なりに組み直すことにしました。

 組み直した...とはいっても既存の追い風構築で強いと思った要素をピックアップしただけです。トルネロスの日本晴れは個人的にかなり評価が高く、これを活かした形で組まれた追い風構築は常に注目していました。日本晴れの評価が高かった理由は現環境最強ポケモンの一角であるハバタクカミをサポートしつつ、現環境最強ポケモンの一角であるウーラオスを弱体化させることができる攻防一体の技であるからです。追い風役のバリューを高めることは、どの世代でも追い風構築の課題である中で、日本晴れ採用によるトルネロスのバリューの増加は目を引きました。

 晴れはイダイトウとのアンチシナジーがやや気になりますが、完全にお墓参りをメインウェポンを捉えていた点や水ウーラオスに無理やり突破されるリスクを低減できるメリットもある点から問題なしとしましたし、実際にその通りでした。

 よってトルネロスの日本晴れ採用と、ハバタクカミ(Cブースト)の採用は確定。基本選出となるもう1枠は、トルネロスと合わせて先発向きのポケモンにしたいところでした。これはハバタクカミもイダイトウも裏のスイープ役に据えたいためです。
 そして日本晴れも活かす熱風持ちで考えるとそれは自然とヒードランに決まりました。もちろんイーユイも候補ではありましたが、元の耐久値や神速耐性を始めとした安定性を持つヒードランを上回りませんでした。

ということで仮組み。

 詳細な個体解説は後に行いますので、採用したポケモンの話を続けます。
 以上の4体はコンセプトの成功と共に、高種族値で固められたことによって十分なパワーがありました。しかしそもそも追い風構築が抱える課題に向き合わないといけません。
 具体的には主に①ミラーと②テツノカイナです。
 ②についてはそもそも高耐久がという話であるのですが、今回の構築では生半可な高耐久ポケモンは晴れ眼鏡ハバタクカミでゴリ押せてしまうので、テラスタル+ヘビーボンバーで常にハバタクカミを睨んでくるテツノカイナを特に意識したいところでした。
 その他にはトリルも意識したいところでしたが、イダイトウが終盤のクレセリアを楽に処理でき、ガチグマの空元気も無効と、通常の追い風構築より楽に戦えそうな要素が揃っていたので一旦保留としました。

 結果①はSブーストテツノツツミ、②はランドロス(チョッキ)で対応しようとし、実際に組んでみましたが、これではテツノカイナの対処札が足りず、もっと厚く組みたいということになりました。
 そうなるとテツノツツミを採用していることが間違えている...という発想に行き着きます。対してもう1体の追加採用であるランドロスの対テツノカイナ性能は十分なものを感じていたので、こちらをミラーを含め、扱いやすくなるようスカーフにするとハマりがよくなりました。あまり評価の高くなかった飛行テラバーストが想像以上に勝ち筋になりやすい点も嬉しい誤算でした。
 しかしテツノツツミが抜けると、日本晴れがあるとはいえ水ウーラオスが極端に重い...となると、当然入ってくるのがモロバレルですモロバレルを6体目においたことで、目標だったテツノカイナに厚くすることを達成でき、またトルネロスに依存しない選出パターンが大きく広がったことでBO3においても強い構築にできた確信を持ちました。

 細かい調整を加えつつ、以下が完成形になりました。次項で個体解説に移ります。

 

2.個体解説

※パーティ画像を再掲。

 

トルネロス化身@メンタルハーブ

特性:いたずらごころ 霊ラスタル
186-x-116-145-117-129 (図太い H252 B124 D132) ※S個体値26
こがらしあらし/追い風/挑発/日本晴れ

・調整、メンタルハーブ

 個人的な考えとして、基本的にトルネロスの型はSを高めた隠密マントか耐久に寄せたメンタルハーブの2択と捉えています。もちろんオボンの実は非常に強い持ち物で、できる限りそうしたいのですが、オボンの実にするには構築全体として条件があって...という話はかなり長くなるので割愛。とにかく隠密マントかメンタルハーブかの2択で、とりあえず当初はHSベースの隠密マントにしていました。
 しかし途中で雨乞いトルネロス+スカーフウーラオスの対処が難しいことに気付きます。そこでトルネロスのS個体値を落とし、確実に日本晴れを後攻で打てるようにすることにしました。Sを落とさざるを得なくなったことで相手のトルネロスの挑発に対するリスクが極端に高くなってしまったので、持ち物をメンタルハーブに持ち替えて確定となりました。

・挑発

 技の選択枠となるとここですが、モロバレルへの安定行動、メンタルハーブ以外のクレセリア(オープンシートだと選出段階でメンハがゴーグルか見える!)への対応策、壁+積みへの妨害が主な理由となり外せませんでした。

 

ヒードラン@木炭

特性:もらいび 妖ラスタル
167-x-126-182-126-141 (臆病 H4 C252 S252) 
熱風/大地の力/鬼火/守る

木炭

 とにかく熱風に価値を見出していたので、持ち物は木炭。命の珠はそもそもイダイトウに取られている他、やはり反動に見合うメリットが得られていないという判断です。その耐久耐性から複数回の行動がしやすいことにも木炭は噛み合っています。

・調整

 調整は当初控えめHCベースと思っていたのですが、ヒードランだけ残ったときの不便さや、相手の凍える風の鬱陶しさ、ヒードランに早々に倒れてもらいハバタクカミとイダイトウに繋げたほうが良い場面の多さ等を感じたことから臆病CSに振り切りました。オープンシート上でも見えない情報であることから不意をつきやすく、かなり良いチャレンジだったと思います。

・妖テラスタル

 テツノカイナの格闘技を半減する他、主にパオジアンやウーラオスにテラスタルを読まれるリスクを減らします。

・鬼火

 主にテツノカイナに打つためのものです。トルネロス+ヒードランを基本選出とすると、ここにテツノカイナがあまりに刺さってしまう点、カウンターを用意する必要があったため、その結果の採用です。狙い通りの働きをしてくれていました。

 

ハバタクカミ@拘り眼鏡

特性:古代活性 妖ラスタル
143-x-89-182-156-182 (控え目 H100 B108 C84 D4 S212) 
マジカルシャイン/ムーンフォース/シャドーボール/ミストフィールド

・調整

 Sラインはトルネロス抜きを死守しつつ、ミラーも意識して気持ち早めに。Cブーストが必要だったのでするとCも自然に決まり、残りをHBに回しました。本当はCを削りBかSに回したいところでしたが、Cブーストでないといけない関係上それは叶いませんでした。

ミストフィールド

 あまりにイエアルマに勝てなかったので、全く打たなかった10万ボルトの代わりに採用。拘っての使用のため択にしかなりませんが、本番ではこの技のおかげで1本は取れたので判断は間違っていませんでした。(2本取ることは叶いませんでしたが...)

 

イダイトウ♂@命の珠

特性:適応力 悪ラスタル
195-180-86-x-95-130 (意地っ張り A252 B4 S252) 
ウェーブタックル/お墓参り/アクアジェット/守る


・悪テラスタル

 主にテラスタルする理由となる不意打ちを半減するタイプから選びたく、これを満たすテラスタイプとして当初はフェアリーでしたが、イエアルマ対策、ボルトロス対策になり得る悪の方がメリットが多いということで、悪に変更しました。
 仕様によりテラスタル時に適応力は消えてしまいますが、それでも耐性テラスタルの方が良いという判断でした。

・適応力+お墓参り

 適応力お墓参りの爆発力は凄まじく、2落ちの威力150であればHB特化モロバレルですら中乱数で落とすので、ゴリランダーやヒードランなどは当然耐えることはありません。威力100ですら無振りウーラオスに84~100%と、少しでも削りを入れてしまえば容易に倒すことができます。
 当初の狙い通りメインウェポンをお墓参りに据えることで、イダイトウに2体以上倒すバリューを発揮させることも楽になりました。

 現環境のスタンの主軸となる水草(炎)+テツノカイナのサイクルを問答無用で破壊することができるため、選出の駆け引きの部分でも圧力を常に発揮します。パオジアンに弱い点や半端とも取れる素早さ等、不安定な部分はあるものの、水ウーラオスに替えて採用する価値は十分あるポケモンでした

 

ランドロス霊獣@拘りスカーフ

特性:威嚇 飛行ラスタル
165-197-115-112-101-151 (意地っ張り H4 A252 B36 D4 S212) 
地団太/岩雪崩/とんぼ返り/テラバースト

・調整

 スカーフ水ウーラオスを意識してs150は絶対に欲しいところですが、それ以上はほとんどミラーでしか活きないので気持ち程度に151でとどめました。逆にスカーフランドロスミラーでは抜いているかどうかはかなり重要な部分になる点、悩みどころでしたが、ちょっとのB振りがいきることもあったのでこのままとなりました。

 

モロバレルゴツゴツメット

特性:再生力 水ラスタル
221-x-132-x-103-50 (図太い H252 B236 D20) 
花粉団子/怒りの粉/キノコの胞子/守る

  特筆すべきことはないと思います。当然パワーの高いポケモンで、6枠目に入ってきてくれたのは幸運でした。

 

3.雑記

 反省というか言い訳というか...こういう話をするのはあまりスマートではないし、僕も好きではないのですが、すみません。

 コンセプトとなったお墓参りの一貫性を活かし、対スタンで一歩有利に立てていた点は狙い通りでよかったですし、予行演習としていた大会直前のてるるんチャレンジではそれを活かして準優勝という十分な結果を残すことができました。ただWCS本番では、イエアルマ×2ガチトリル×1で3敗と、パオジアンやテツノカイナの不在によりギミック系統に対する対策がかなり薄くなっていたことがそのまま出た形となってしまいました。配信卓の試合を見る限りメタを読み違えたとも思えず、ただやり場のない気持ちでいっぱいです。

 今も細かいミスや、駆け引きの部分でプレッシャーのない行動があったことを反省はするものの、それでも噛み合い次第では抜けの目が大きかったんだという自負が残り、結果が出なかった事実がただただ苦しいです。

 幸運なことにも今まで自信のある時はいつも運を始めとした噛み合いが味方をしてくれていたので、自信と結果が乖離してしまうことに慣れておらず、このようにまだ結果を受け止め切れてないのが正直なところです。子供のようで情けない話ですが。

 来年も全国大会、世界大会に出られるかというとそれは自信を持って言えませんし、社会人としてポケモンに割けるリソースも限られつつあります。さらには一番苦手な人物が今年優勝してしまったので、目を背けていた心の曇りと、これから常に向き合わないといけなくなってしまったことも辞めてしまう理由としては十分です。
 それでもDay2コンプレックスとでも言うべきこの気持ちはどこか解消しないといけないとは思いますし、チャンスがまた得られたのなら、それを今回以上に大切にしたいと思います。


 WCSまでの取り組みにあたっては、練習・フィードバックの面でクロ、アルベガ、ナツメグさんに、個体調達の面でクロサナ、grandに大きくお世話になりました。ありがとうございました。
 また練習を見守ってくれていたサーバーの面々や応援してくれた方についてもありがとうございました。

 以上です。ここまで読んで頂きありがとうございました。