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【SVダブル レギュE】竜舞トドロクツキ+モロバレル @4【S11 最終35位】

 こんにちは、conaです。今回は10月のランクマッチで最終35位を獲得したトドロクツキ軸スタンの紹介です。少し特殊なポケモンの採用もありますが、全てのAブースト竜舞トドロクツキ構築に通ずる考え方が組み込まれていると思うので、興味を持って読んでもらえると嬉しいです。

 

1.構築経緯

 当初はミロカロスを使いたいと思って構築を組んでいたのですが、相性の良い高火力物理アタッカーとしてトドロクツキを採用したところ、想像以上に強力だったトドロクツキの方に心惹かれ、こちらを軸に煮詰めたいと思いました。トドロクツキは火力もそうですが、ランクマに多く蔓延るギミック系への耐性があることが特に魅力的と感じていました。タイプ相性上大きく有利が取れるイエアルマは勿論、叩き落とすの存在が強く、ガチトリルや寿司、鉄壁ボディプレスなど相手にも楽に立ち回るためのパーツとなれます。

 AブーストかSブーストか、技はどうするかはかなり長い間決めかねていたのですが、最終的にはトドロクツキ+モロバレルの相性が非常に良いということでAブースト竜舞での採用に落ち着きました。ちょうど都合の良いことに海外大会でも竜舞トドロクツキが結果を残していた()ので、それも参考にしながら必須枠と補完で欲しい要素をまとめました。

 必須枠はトドロクツキに加え下記の3体としていました。

 

モロバレル...トドロクツキとの相性補完が非常に強力で、氷技を除き、トドロクツキが苦手する攻撃の多くを怒りの粉で受けることができます。対して怒りの粉やキノコの胞子が効かない草タイプにはトドロクツキが滅法強いです。またトドロクツキが草タイプに強いということで、無理やり水テラスタル胞子を通しにいく行動が肯定されやすいというのも非常に大きなポイントです。(トドロクツキの出しどころがわからないって人はこの認識が足りないんじゃないかなと個人的に最近思っています。)

テツノカイナ...威嚇が痛い点とフェアリー弱点が被り、お世辞にもトドロクツキと相性が良いとはいえませんが、そんなこと関係なくとても強いポケモンなので絶対に抜けることはないなと思いました。真面目に採用理由を挙げるとしたら、猫だまし竜の舞の筋、テラスタルヘビーボンバーがハバカミの処理ルートとして非常に安定していること、モロバレルとの相互のクッション関係、トルネウーラへの解決策等々でしょうか。

ハバタクカミ...テツノカイナと同様にこれも強いから採用という話もあるのですが、トドロクツキを採用した以上特殊打点が不足してしまいそうな点と、トドロクツキがパオカイに弱い点から外せない枠という認識になりました。

 

 そして残り2枠で欲しい要素を整理し、以下4点を埋めるようにすることにしました。

 ①フェアリー耐性...モロバレルがいるとはいえ、トドロクツキがマジカルシャインに無抵抗な点、またこの構築は追い風パではなく受けに回る展開が多い点から、フェアリー耐性1体では不足しています。

 ②威嚇...必須枠4体のどれとも相性が良いです。そもそも現環境では追い風や壁を入れないなら要素としてほぼ必須の認識をしています。

 ③対トルネ水ウーラ...モロバレルに水ウーラ耐性を頼っているため、トルネと合わせられると簡単に負けやすいです。チョッキテツノカイナで何とか対抗していきたいですが、ゴリランダーやランドロスでしっかり対応される場合も多く、これだけではとても安定しません。

 ④威嚇対策...トドロクツキを採用している以上どうしても欲しいです。最高なのは勝気負けん気ですが、しっかり特殊打点を押し付けられる構造を作って威嚇対策としてもまあダメではないかなという感覚でいました。

 

 で、先人の構築と()これを照らし合わせてみます。(自分の解釈で)補完枠となっているヒードラン/ランドロスですと、以下のようでした。

 ①フェアリー耐性...ヒードランでがっちり受けられる。スカーフランドがハバタクカミの処理ルートにもなれます。

 ②威嚇...ランドロス

 ③対トルネ水ウーラ...ヒードラントルネロスに強いのですが、やはり水ウーラオスがネックになります。

 ④威嚇対策...ヒードランが特殊打点として強力。この構築が最初に出てきたときはヒードランが食べ残しだったので、ランドロス相手に特殊打点を押し付けづらい印象がありましたが、最新版ではシュカの実になっていてテラスタルを切らずとも気軽に熱風が打てるようになっていたので、かなり納得感がありました。

 ということで、ヒードランランドロスの形はトドロクツキ構築に欲しい要素は概ね満たしているもの、③対トルネウーラだけ大きく不安がある状態という印象がありました。実際この構築は海外大会(Toronto Regional)で準優勝を果たしているものの、決勝戦トルネ水ウーラオスを軸とした並びにストレートで負けていて(予選でもストレートで負けている)、ここはやはり改善の余地があると感じました。

 

 そこで、ランドロスヒードランヒスイウインディに役割を圧縮しつつ、別で水耐性を用意する方向で補完枠を考えます

 ヒスイウインディで①フェアリー耐性、②威嚇は用意できました。そして③対トルネ水ウーラ対策となる耐久の高い水タイプかつ④威嚇対策となるポケモン...で考えたところミロカロスが浮かび、結局トドロクツキ+ミロカロスの形に戻ってきました。 

 しかし、ミロカロスは要素を満たしていそうで全然そんなことはない罠でした。特に③対トルネ水ウーラが酷く、トルネロスにウーラオスにもアクション出来る技がないため、本当に盤面にいるだけになりがちで役に立ちません。さらには④威嚇対策の役割についても少し怪しく、選出を上手く合わせないと損することも多いため、かなり不満が多いポケモンでした。

 とはいえ他に良いアイデアも出なかったため、最終日の夜まで基本的にはこの形で使っていましたが、あまりにトルネウーラへの勝率が悪く、やはりこのままではダメだということで③対トルネ水ウーラを今一度考え直すことにしました。するとトルネウーラに打点がなくとも最低限の仕事として欠伸というアプローチがあるという考えが浮かびます。しかしトルネロスの挑発に妨害されるようでは厳しいと一瞬で考えを改めようとしたのですが、水タイプで高耐久で挑発無効で欠伸が打てる都合の良いポケモンがいることに気付きました。

 それが鈍感ヘイラッシャです。確かにヘイラッシャならトルネウーラ系統の猛攻に耐えつつ、欠伸でターンを稼ぐことができます。ウェーブタックルという高火力技もあるので任意のタイミングでトルネロスを倒すのにも苦労しなさそうです。何より鈍感という特性が威嚇無効な点も都合がよく、やや要素として不安は残るものの、そもそもタイプ上ランドロスウインディに強いことを踏まえると、④威嚇対策にもなっているとも言えそうです。

 

 これでダメだったら10月ランクマないしトドロクツキは諦めようと思いながらのヘイラッシャ採用だったのですが、これによりトルネウーラに対して安定感を生み出すことができ、ヘイラッシャの形にしてからは16勝5敗と高勝率でレート2000に乗せることができました。

 なんか最終日突然降ってきたものがドハマりしすぎて困惑しましたが、まあなんにせようまくまとまったので嬉しかったです。よかったね。

 構築経緯は以上となります。

 

2.個体解説

※パーティ画像を再掲

 

トドロクツキ@ブーストエナジー

特性:古代活性 飛行テラスタル
182-183-117-x-122-168 (意地っ張り H12 A60 B204 D4 S228)
叩き落とす/アクロバット/竜の舞/守る

※調整意図
HB:A特化カイリューの災いノマテラ鉢巻神速を87.5%で耐え, A特化テツノカイナのドレインパンチを93.8%で耐え
S:最速イーユイ抜き

-配分

 B方面を特に厚くしました。なるべくパオカイには出さないようにするものの、出さないといけない場合もあるので、無抵抗になりすぎないようにという意味ですが、そうでなくても環境的にも物理方面の攻撃は受けることが多く、特にテツノカイナのドレパンを耐える保証があることは立ち回り上大きな意味を持ちます。
 Sをもう少し削ってAに回す選択肢はあって、火力の不足感と相談して好みになるかなと思います。

 

モロバレル@オボンの実

特性:再生力 水テラスタル
219-x-121-105-115-50 (図太い H236 B156 D116)
ヘドロ爆弾/キノコの胞子/怒りの粉/守る

-配分/オボンの実

 ハバタクカミを始めとした特殊打点も幅広く受けて欲しいので、B特化はせずにDにも回しつつ、持ち物もゴツゴツメットではなくオボンの実で採用しました。ゴツゴツメットはテツノカイナ+モロバレルでの水ウーラオス処理がしやすいことが最も強力な点ですが、それ以上にモロバレルの怒りの粉が打てる回数や、集中を無理矢理耐えてキノコの胞子を通すシーンを重視していました。一応積み構築ですし、こっちのほうが自然なんじゃないかなと思っています。

 厳密には理想的な配分ではない点、そのままパクる際は注意してください(オボンの実なのに4n-1)。それとは別にSは振るかどうかやや迷いどころです。最遅赫月ガチグマがS実数値51なので。モロバレルミラーの数やそれに対する立ち回りと相談になるかなとは思いますが、多分上げといたほうが嬉しいことが多いと思います。

 

-ヘドロ爆弾

 対水オーガポンを重視して入れましたが、それ以外の点でも想像以上に強かったです。特によかったのは、モロバレルが最後1体残った時のタイマン性能で、花粉団子だとハバタクカミやテツノカイナ、水ウーラオスにワンチャン残らないのですが、ヘドロ爆弾だとこれらのポケモンと1vs1を作れれば勝ちという展開を目指せるのがかなり扱いやすかったです。ランドロスを採用しなかった影響はあるかもしれませんが、サイクルを何度も回す展開が起こりにくかったので、花粉団子が欲しい場面よりもヘドロ爆弾が嬉しかった場面の方が圧倒的に多かったように思います。

 

 

テツノカイナ@突撃チョッキ

特性:クォークチャージ 毒テラスタル
240-198-129-x-107-85 (意地っ張り H84 A156 B4 D148 S116)
ドレインパンチ/ワイルドボルト/ヘビーボンバー/猫だまし

-配分

 申し訳ないのですが、特に意図はないです。トルネウーラがどこまでいっても厳しいのでなるべくAを高くしましたが、どちらもワイルドボルト1発では倒れないことが多いので少しおかしい気もします。Sはミラー意識でかなり上げましたが、これも耐久と合わせて何となくのラインです。うーん。

 

-毒テラスタル

 やや珍しいですが、ハバタクカミの処理優先度が高い関係上、初手で無理矢理テラスタルを切ってヘビーボンバーを打ちに行くことが多く、この時水テラスタルだと裏の草タイプやテツノカイナに弱点をつかれてしまうシーンが多いのが悩みどころでしたので、弱点の少ない毒テラスタルで採用しました。

 地面弱点が被るのがデメリットですが、そもそもランドロスの前でテラスタルを切って行動しに行くシーンはかなり少ないので、そこまで気になりませんでした。どちらかというと雨水流連打が受からないことが痛く、ヘイラッシャを採用するまでは水テラスタルの個体を主に使っていました。

 

 

ハバタクカミ@拘り眼鏡

特性:古代活性 妖テラスタル
140-x-93-175-156-189 (臆病 H76 B140 C156 D4 S132)
マジカルシャイン/ムーンフォース/シャドーボール/パワージェム

※調整意図
HB:陽気パオジアンの氷柱落としを確定耐え
S:意地っ張りパオジアン抜き抜き

-配分

  調整意図に記載の通り、パオジアンを強く意識しています。対パオカイの役割にもかなり期待していたため、このような形にしました。

 Hは削れるだけ削ってなるべくCに回せるように。Hにいくつか回して特殊方面の乱数を良くする選択肢もありますが、それよりも相手を倒せるリーチを少しでも伸ばしたほうがこのポケモンには合っていると思います。

 ちなみにパオジアンの陽気氷柱の乱数は怯みも考えると甘えるべきではないと個人的には思っています。そもそも27%(+急所)で負けなのに、それ以上ダメな確率を増やすのはまずいという感覚。同じ理由で蔦棍棒耐え調整とかもなるべく低乱数は切りたくないです。

 

-パワージェム

 4枠目にかなりおすすめです。あるだけで炎オーガポンやウインディに対しての立ち回りに幅が出ます。

 

 

ウインディ(ヒスイ)@拘りスカーフ

特性:威嚇 水テラスタル
171-183-100-x-100-142 (意地っ張り H4 A252 S252)
フレアドライブ/岩雪崩/神速/インファイト

-拘りスカーフ

 構築経緯で触れましたが、このポケモンランドロスヒードランを圧縮したポケモンとしての採用だったので、スカーフランドロスが持つスイープ性能が出せるようにスカーフを持たせました。命の珠などで神速にパワーを持たせる形もありましたが、スイーパーとしてはやはりハバタクカミやパオジアン、オーガポンの上から岩雪崩が打てることが非常に強く、狙い通りの使用感でした。

 

-インファイト

 ほとんどヒードランピンポイント意識の採用です。

 

-水テラスタル

 ウーラオスの水流連打を無理矢理受けて動きたい場面があったので、水耐性を持たせました。しかしゴリランダーのグラススライダーで縛られてしまうようになるのが気になったので恐らくドラゴンテラスタルの方がいいと思います。

 

 

ヘイラッシャ@食べ残し

特性:鈍感 毒テラスタル
248-143-136-x-116-56 (意地っ張り H180 A76 B4 D244 S4)
ウェーブタックル/身代わり(ヘビーボンバー)/欠伸/守る

-配分

 こちらの構築での使用個体の流用です。単体性能を重視して、火力を多めに取りましたが、あまり正解はよくわからず。いざ攻撃技を打った時に火力が低いのはあまり好きではないので、なるべく火力に寄せたいという感覚はあります。

 

-身代わり/ヘビーボンバー

 ランクマッチ使用時はハバタクカミへの打点を意識してヘビーボンバーでしたが、最近はモロバレル相手を強く意識して、身代わりを採用しています。モロバレルと並べることで、相手のモロバレルを完封しつつ眠りをばらまくことができます。

 

 

3.選出

 プレイしていて多かった選出を記載しているだけで、あくまで一例である点に注意してください。そもそもトドロクツキを出すかどうかを含め、色々な出し方があって面白いと思います。

 

-基本

ウインディ+ハバタクカミorヘイラッシャ/ モロバレル+トドロクツキorハバタクカミ

 全体的にモロバレルを通すことに重きを置いています。上述の通りトドロクツキがいれば草弱点がほぼ気にならなくなるのでテラスタルはかなりモロバレルに回していました。キノコの胞子でテンポを取りつつ、最終的にトドロクツキでの全抜きやハバタクカミ+ウインディでのスイープを見る展開が多かったように思います。

 

-追い風

ヘイラッシャ+ウインディorテツノカイナ / モロバレル+ハバタクカミorトドロクツキ

 ヘイラッシャでうまく盤面を操作して、後発のポケモンを通せるようにできるといいです。安易に欠伸連打をせずに必要な場面でウェーブタックルを押せると尚いいと思います。自分はこれが下手で何戦か落としてしまいました。

 

-ガチトリル/イエアルマ/寿司

トドロクツキ+モロバレル / @2

 トリルとイエアルマには圧倒的に有利だと思います。上から叩き落とすと下から胞子で挟むイメージで。
 対寿司はキノコの胞子や怒りの粉を散らつかせることで、合体一丁上がりでトドロクツキが即死する筋だけうまく避けつつ、食べ残しを叩き落とせば一気に楽になるイメージです。

 

-壁

ハバタクカミ+モロバレル / トドロクツキ+ウインディ

 最近の壁構築はモロバレルへの対策が非常に甘いです。キュウコン+セグレイブ以外には明確に有利だと思います。

 

 

4.終わりに/雑感

 読んでいて気付いた人もいるかもしれませんが、構築としてかなりモロバレルへの依存度が高いです。世間のモロバレルへの対策の甘さをついているというか。もう少し環境が進んだらモロバレルへの依存度を下げていかないといけないような気がします。例えばサーフゴーが非常に厳しい。特に威嚇+悪巧みのものは適切にトドロクツキを通せないとすぐに詰んでしまいます。(対サーフゴーに限った話で言えば、きついのはヒードランを抜いたせいでもあるんですが)

 出てない身で言うのも本当になんなんですが、ポケパラはモロバレルが優勝すると思っていて、実際トップカットを見るとモロバレルは非常に刺さっていたように思います(特に対寿司)。しかしモロバレル入りのスタンを使いそうな人間がみんな追い風に流れたせいで、あまり環境が回らなかったという後方腕組み考察をしていました。

 ということでこの構築もいつか賞味期限が来るんだろうなと思いつつ、結構独自性と納得感があるように仕上がったので満足しています。選出や立ち回りの幅が広く、BO3で真価を発揮する構築だとも思うので、是非ランクマに限らず使用してみてください。

 

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(詳細は以下のツイートから)

 

②こっちは僕の話ですが、最近Youtubeライブ真面目にやり始めたので、見てもらえると嬉しいです。率直な環境考察を話している他、質問もなんでも答えているので、初中級者の人に特におすすめな気がしています。

t.co

 

 以上です。構築に関して質問等あれば、上のYoutube配信かTwitterまでお願いします。

 ここまで読んで頂きありがとうございました。

cona (@cona_5757) / X