※前回の記事の続きとなっています。そちらで書いたことを前提にお話ししていますので、前回記事を読んだ上での閲覧を推奨しています。
この記事はPJCS本戦の2か月後に行われたPJCSライブ大会で使用した構築についての記事です。結果は1勝4敗と散々なものでしたが、本戦から引き続いて約2か月間ポリゴンZを研究し続けて、自分なりの結論といえる形に辿り着いたものなので、最後までお付き合いいただけると嬉しいです。
まずはどのような経緯・意図で本戦使用構築に変更を加え、上記の画像の形に行き着いたのかということからお話しし、個体解説に移りたいと思います。
【本戦使用構築からの変更意図】
本戦使用構築では+が基本選出となっていました。裏に置く2体としての並びを選択するのが一般的ですが、自分は多くのパーティに採用されているレジエレキとランドロスの組み合わせに対してマンムーが無類の強さを誇る点を高く評価していて、基本選出に襷マンムーを組み込むこの形を結論とし、変更するのであればウーラオスとガオガエンの枠であると考えていました。
まず変更したいと考えていたのがガオガエンです。これには当初の採用理由であった壁+トリルの形の対策として、こちらは歌う+悪だくみで回答を出せていることがわかったので、猫だまし挑発の要素にこだわる必要がなくなったことが大きかったです。それにポリゴンZを選出する際はピッピも同時選出しないといけない場合がほとんどであるため、ガオガエンのようなポケモンは相性が悪いと感じてもいました。しかしカミツルギやゴリランダーが上記基本選出では厳しいため、炎タイプは必要になってくるだろうという認識もまたありました。
ウーラオスに関しては襷をマンムーに奪われている点で使いづらく、特に(相手の)ウーラオスやゴリランダーに弱い点が気になっていました。それでもメタグロスやレイスポス、鉄壁ボディプレス勢など、ポリゴンZが戦いにくい相手に対してウーラオスが必要になってくるということもまた多くあって、いずれにせよウーラオスは採用する形になってしまうものかと苦心していました。
厳しい相手は上述したもの以外にも様々ですが、構築のテーマ上必然的に厳しい指トリルや追い風は不利マッチとして割り切るとして、前ダイマ+ウーラオスゴリランダーのような形にどうしても勝てず、これは問題だと感じていました。このような形にはマンムーでもウーラオスでも対応が難しい点、やはりウーラオスの別のポケモンへの変更は必須...でも上述の通りウーラオスが役割を持つべきポケモンも多い...ということで考察が行き詰まっていました。しかしポリゴンZの残数有利を一気にとる動きを活かすことで、裏のポケモンは上から殴り倒す以外のプランを取ることもできるのではないかと、考察を辛抱強く進めていくうちに気づきました。
まず考えたのが滅びの歌草食HBマリルリです。ウーラオス、ゴリランダー、メタグロス、ボディプレス勢諸々の攻撃を受けながら最遅滅びの歌で勝利を狙うプランを考えつきました。この時6体目にはポリゴンZが確実に相手を2体倒すことやマリルリの行動を補助できるようにモロバレルを採用しました。結局カミツルギへの対抗手段の薄い点やBO3に不向きな戦術であった点を理由に解散になりましたが、"倒す"ではなく、"詰める"というアプローチ自体に手応えはありました。
次に注目したのが鉄壁ボディプレスです。ほとんどのボディプレス使いはウーラオスに弱いですが、バクガメスに関しては違いました。PJCS予選でこのポケモンを採用した構築の記事を見たことがあったので、一定の強さがあることは知っていました。バクガメスであれば草タイプ全般に自信を持って強いと言えますし、タイプとシェルアーマーのおかげで多くの鉄壁ボディプレス勢にも強いです。影踏みなしの滅びの歌プランのようにこちらがポリゴンZを通しきることに躍起になる必要もなくなります。以上の理由から5体目に思い切ってバクガメスを採用し、そして6体目にはバクガメスとの相性の良さを理由にゴリランダーを採用しました。ゴリランダーを採用できたことで、レジエレキかマンムーのどちらかに代えてゴリランダーというような基本選出の崩し方ができるようになった点も大きいです。
【個体解説】
ポリゴンZ@命の珠 適応力
控え目
169-x-90-204-95-135 H68 C244 S196
破壊光線/吹雪/悪の波動/悪巧み
調整意図
S:134+1
本戦から主にレイスポスを意識してSを上げた個体になりました。速いランドロスが増加していた点、準速まで上げる選択肢もありましたが、耐久をこれ以上落とすことはできませんでした。
ピッピ@進化の輝石 フレンドガード
穏やか
175-x-72-x-111-70 H236 B28 D124 S116
歌う/この指止まれ/手助け/守る
調整意図
HB:陽気鉢巻きウーラオスの水流連打が乱数三発(44.3%)
HD:控え目眼鏡レジエレキのエレキボール(120)が乱数一発(25%)
S:レジエレキのエレキボールの威力が150にならない
流行の兆候を感じていたので本戦時点では切っていた眼鏡レジエレキに対応できるような調整をチョイスしました。実際にシニアでもマスターでも眼鏡レジエレキは流行っていたので正解は選べていたように思えます。ただ当日眼鏡エレキボールを打たれて耐える試合があったのですが、相手の思惑に反して耐えることをうまく利用できずに負けてしまったのが心残りです。
レジエレキ@磁石 トランジスタ
臆病
155-x-93-152-70-253 B180 C252 S76
エレキボール/エレキネット/電磁波/守る
調整意図
HB:陽気ウーラオスの暗黒強打が乱数1発(6.3%)
S:準速レジエレキ+1
スカーフウーラオスの非採用により重くなったドラパルト、もっと言えばドラパタンザンピンポイントのメタで、ボルトチェンジを電磁波にしたことが唯一の変更点です。日本人は勝負所にドラパタンザンを持ち込むことはないだろうとは思ってはいたのですが、完全に切ってしまうのもどうかということで採用しました。当日は全く打ちませんでしたが、電磁波じゃなくて他の技だったらということもなかったのは幸いでした。
マンムー@気合の襷 鈍感
陽気
185-182-101-x-80-145 A252 B4 S252
10万馬力/氷柱落とし/氷の礫/守る
本戦では意地っ張りでしたが、結局はランドロスを倒すという役割を果たすためには陽気は必須だろうという判断になりました。
バクガメス@食べ残し シェルアーマー
図太い
167-x-205-111-106-56 H252 B252 D4
ボディプレス/嫉妬の炎/鉄壁/守る
採用理由は前述の通りで、主な役割対象はウーラオス・ゴリランダー・テッカグヤ以外の鋼です。
嫉妬の炎の枠は炎の渦との選択だと思いますが、嫉妬の炎の方が役に立つ場面は多いと考えたためこちらになりました。サマヨールを特に意識する場合は炎の渦になってくると思います。
数値が低く、特に特殊方面はレジエレキの攻撃でも痛いのでレジスチルのような無敵要塞感はないため、選出基準はかなり低くしていました。それでもバクガメスが汎用性を損なわずに綺麗にパーティの穴を埋めてくれる存在であったという確信はありましたし、今でも広い視野で良い選択ができたと考えています。
ゴリランダー@奇跡の種 グラスメイカー
意地っ張り
197-194-110-x-90-116 H172 A252 S84
グラススライダー/ウッドハンマー/猫だまし/挑発
調整意図
S:114のゴリランダーが多かったのでそれ+2
バクガメスのための相性補完とグラスフィールドを目的とした採用でしたが、やや苦手としていたマンムーやウツロイドに手が届く部分でも噛み合いがよかったです。
挑発の枠は守るや10万馬力と迷いましたが、トリックルームやモロバレルに対して打てる点を特に評価して挑発になりました。ウッドハンマーは自分は切れないと考えています。
【選出】
+から二体
前回同様ほとんどこれで、+が一番多いです。
【戦績・反省】
冒頭で述べた通り、残念ながらライブ大会では1勝4敗で予選敗退という不甲斐ない結果に終わってしまいました。応援してくれていた方々には申し訳ない気持ちでいっぱいです。
実は4敗全てが対ダイマブリザポスで、多いだろうと予測していてかつ有利が取れるマッチアップのランドキッススタンには一度も当たらなかったあたり、ウーラオスを採用していないことがもろに響いた形になってしまいました。特にサマヨエレキ+ブリザポスの形に2回当たったのはかなり想定外で、レジエレキの型判別(アタッカーか壁か)を間違えなければまだ戦えるところ二回とも間違えてしまったのが特に痛かったです。
また有利な試合だったのに、自分からリスキーな択を選んだ結果、試合を落としてしまったこともありました。45秒の中で結論を出すことの難しさを改めて痛感しました。
考察、プレイング、メンタルコントロール等々、様々な点で良かったこと悪かったことがあって、今も振り返っている最中です。トップ層との差があるということはわかりきっていたのですが、今回ライブ大会に出場してそれがどのようなものなのかが具体的によくわかったと思います。特に今回のものも含めて今まで作った構築は良くも悪くも研究した動きしかできない・しない点は、自分がこれからブレイクスルーできるポイントだと思いました。この点同じくオフメタを握りながら手の広さと読みの深さをもって勝ち上がっていった今回の優勝者フジタ選手と自分では大きな差があったと考えていますし、彼のようになりたいと配信を見て憧れました。
改善したいことだけでなく自分が自信を持っていい点もみえてきました。中でも珍しい要素を積極的に取り入れる姿勢はこれからも維持していきたいと考えています。
以上今回のライブ大会は悔しい経験になってしまいましたが、確実に自分の糧になったので、来年の全国大会・世界大会では必ずや良い結果を残せるよう精進したいと思います(向こう何か月かはユナイトめちゃくちゃやるけど!)。
【宣伝】
Youtubeで実際にこの構築を使っている様子を映しながら、ライブ大会についての振り返りをしました。お時間あればぜひご覧ください。
【最後に】
応援してくれた方、調整に付き合ってくれた方ありがとうございました。ポケモンでここまで応援されることもなかったこともあり、Twitterや通話でたくさんお声がけ頂いたのは本当に嬉しかったし励みになりました。
会場で話してくださったプレイヤーの方々もありがとうございました。こんなご時世のせいで僕が剣盾をプレイし始めてからはオフ会もなかったので、久しぶりに対面でポケモンできる場を存分に楽しめました。来年の世界大会で一緒に戦う仲間としても、これからもよろしくお願いします。
それではここまでお読み頂きありがとうございました!何か質問等あれば@nasuuma2によろしくお願いします。